7年前、とても寒い日だった。
風も穏やか。今日はとても暖かい。
先日の母との話。
あの日、帰宅するとまだ、2歳にならない息子と家内が不安そうに私の到着を待っていた。部屋の明かりは一本のロウソク。ストーブが焚かれた部屋の中はほどほど暖かく50kmの帰路、昨日までと違うのは街の灯りが一切なく車のヘッドライトだけが辺りを煌々と照らしていた事。停電の影響でいくつかのトンネルさえも灯っていなかった覚えがある。翌朝、出勤前にコンビニに立ち寄るが食品はほぼ何もなく、あの大きな冷蔵庫さえガラガラだった。また、後に計画停電と改められたが輪番停電と言って地域ごと、時間帯を変えて送電を止める節電対策がとられた。今も我が家のある街の姿は当時と変わらぬ風景を見せる。
ただ、私が育った街は被災した。